2012/06/29 ISBN 978-4-434-16852-9 C0092

書籍

66年間封印されてきた詩集を初公開 詩集 別情歌

山波言太郎

定価1,200円 +税

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この詩集は奇妙な詩集です。書いたのは六十六年も昔、昭和二十一年(1946、終戦の翌年、私は25歳)の三月末から四月の初旬の数日間。書いたのは私ですが、一字一句の修正なしで、誰かの口移しで書かされたものです。詩は文語体の長編詩。でも詩の舞台(詩の内容が示す状況)は江戸時代らしい。つまり文体も、詩の状況も、西欧の新体詩発生(明治十五年)以前のもの。いったい作者は誰なのか? 私は(詩霊甦へりて詩へる)と、プロローグの劈頭の詩「光ある珠」に断り書きを付けている。これが当時の私の実感だった。
内容はある男の悲恋の一生。そこに至る経緯、その後の人生、そして深いその時その時の悲愁を物語る。……
山波言太郎(序文より)

 

(前略)…この驚くべきと言ってよいほどの技法が、一体どこから来たのか、(中略)…読者の中には、背後に誰かがいるということまで疑う人もいるかもしれない。これはすべて桑原啓善の自作自演ではないかと、私は桑原さんの清廉な人柄から言って、これは意図的に作られたものではなく、「一字一句の修正なしで、誰かの口移しで書かされたものです」という言葉に嘘はないと思うし、先ほども言ったように、古今東西にそういう例はたくさんあるのである。また、過去の例からの類推に依らなくても、この詩そのものの中に、別世界の別人格をおもわせる幾つかの特徴を発見することができる。それらは、このエッセイの中で何度か述べてきたが、改めて簡単に言うと、基本的には、時間と空間についての考えが曖昧であるということで、事件の前後関係、土地の記述の前後関係の矛盾撞着、物事につて具体性の乏しいこと、その反対に自然描写や自然による比喩の多いこと、また、人間関係を魂同士の関係として捉えていることなどである。これらは、事実性、事物性を追求してきた、近代詩から現代詩へ至る特徴とは大きく異なるものである。
芥川賞作家 三浦清宏氏「自動書記による長編恋愛詩『別情歌』–江戸の詩か昭和の創作か–」(サムライ・平和(Peace)10号)より

 

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data 作品データ

書籍 A5判 132ページ ソフトカバー
発売 星雲社
発行 山波言太郎総合文化財団 出版事業部 でくのぼう出版

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