●新たな書き下ろし原稿と、賢治の写真の解説を加えた決定版。
宮沢賢治をめぐる人々が織りなす、ひかりとかげ、賢治研究の基礎資料。
そこから「賢治の素顔がみえる」。
丹念な資料と研究による、興味深い重厚な一冊。
賢治は宣言した。
〈われらは世界のまことの幸福を索ねよう求道すでに道である〉(農民芸術概論綱要 序論)
賢治は岩手県花巻に生まれ「文」に生き「農」に生きた。
この二すじの道は彼の生涯をつらぬいた「まこと」を索ねる旅の両輪であった。
佐藤 成(さとう ひとし)
そのむかし仙台平野は日高見国と呼ばれていた。賢治は連句〔車中にて〕の中で、〈稲熟れ初めし日高野(ひだかの)のひる〉と歌った。
彼の第一詩集は『春と修羅』であるが、その序に〈わたくしといふ現象は……いかにもたしかにともりつづける/因果交流電燈の/ひとつの青い照明です……かげとひかりのひとくさりづつ/そのとほりの心象スケッチです……〉
と記したのである。(本書より)
●本書では、賢治をめぐるたくさんの人々が紹介されています。
- 詩人 高村光太郎
- 詩人 島崎藤村
- 詩人 土井晩翠
- 盛岡高等農林学校主任教授 関豊太郎
- 盛岡高等農林学校同級生 高橋秀松
- 花巻農学校校長 畑山栄一郎
- 花巻農学校同僚 堀籠文之進
- 盛岡高等農林学校同級生 阿部孝
- 評論家 辻潤
- 古生物学者 早坂一郎
- 詩人 草野心平
- 理論物理学者 石原純
- 詩人 石川善助
- 詩人 尾形亀之助
- 花巻輪読会主催 高日義海
- 詩人 白鳥省吾
- 哲学者 阿部次郎
- 民俗学者 佐々木喜善
……ほか多数(順不同敬称略)
●こちらも合わせてどうぞ。
佐藤 成 編 CD
賢治の教え子らが語る実況録音集『「イーハトーブ農学校の賢治先生」を語る』