宗片邦義が、シェイクスピア劇の傑作13作品を日本の能にした、誰もが読める入門書。
名作のエッセンスを10分でつかめ。

シェイクスピア劇の傑作13作品を日本の能にした、誰もが読めるシェイクスピア入門、能入門。公演された「能ロミオとジュリエット」「能ハムレット」「能オセロー」「能リア王」の4曲には、著名研究者をはじめ鑑賞者の批評・感想もたくさん入り、作品の見どころが分かり易く編集されています。専門家もうなる、初心者も楽しめる入門書。

著者の本書発刊の目的は、人間を深く知り「万の心を持つ」といわれたシェイクスピアの名作から、能（和の心）をもって、真の平和へ向けて精神性・霊性の進化を訴えるところにあります。人と人、国と国との争いのニュースが絶えない現在、今こそ、シェイクスピアを！

◆裏表紙に載せた批評

『能ハムレット』は坪内逍遥がシェイクスピア史劇を歌舞伎に生かした『桐一葉』、黒澤明が『マクベス』に基づいて映画化した『蜘蛛巣城』に続いて、日本人がシェイクスピアを使って独自の新しいドラマを創造した画期的な公演であった」「日本の演劇史や英学史の中で光っているばかりか、国際的な広がりが大きく、日本文化の誇りです」

荒井良雄（駒澤大学名誉教授）

宗片のシェイクスピア能は禅の芸術であり、日本仏教の千数百年の歴史の中にある。その核心は自己と他者の救済にあり、人間の根源的苦悩も解決にある

川田基生

能シェイクスピアにはシェイクスピア劇に対しても能に対しても、作者の勇猛果敢な挑戦が見られる

川地美子

思えばこの世は三つの世界 / 心と言葉と行動と 。三つとも大事なこの世界 /三つの世界が一つにならねば / リア王殿は救われぬ」――これには心を打たれました

原 不二子

『能リア王』は、真の（深い意味の）異文化融合に成功している。それは作者のホリスティック（全人的）な人間観によるものと思う

ダニエル・ガリモア

能と『ハムレット』の見事な融合。最後の数瞬間は、超絶的（トランセンデンダル）ともいうべき美しさで、「幽玄」を創造して見せたと言っていいだろう

ドナルド・リッチー『ジャパン・タイムズ』